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せつな カビゴン、ヤドラン、ユレイドル(ガラガラ、ウソッキー、カバルドン) 蒼き流れ星 エンペルト、ドサイドン、ユキノオー(ボスゴドラ、ギャラドス、カバルドン) 1. エンペルト どくどく カビゴンは猛毒になった! カビゴン 大文字 エンペルト残8割 2. エンペ ハイドロポンプ カビゴン残7割 カビゴン 大文字 エンペルト火傷を負って残5割 アッー! 3. エンペルト → ドサイドン カビゴン → ヤドラン 4. こだわりメガホーンを食らえ! ドサイドン メガホーンミス アッアッー!! ヤドラン くさむすび ドサイドン壮絶死 ドサイドン → ユキノオー 霰が降りはじめた! 5. ユキノオー くさぶえ ヤドランは眠ってしまった! ヤドラン ぐうぐう 6. ユキノオー ふぶき ヤドラン残8割 ヤドラン ぐうぐう 7. ユキノオー ウッドハンマー ヤドラン乙 ヤドラン → ユレイドル 8. ユキノオー ふぶき ユレイドル残4割 ユレイドル ミラーコート ユキノオー乙 ユキノオー → エンペルト 9. エンペルト ふぶき ユレイドル乙 エンペルト 火傷と霰で残1割 10. エンペルト 激流ハイドロポンプ カビゴン残ミリ カビゴン だいもんじ エンペルト乙 せつなの勝ち! エンペルトが火傷を負ってしまったのが痛かったぜ… 無駄に体力削られていくのはやっぱり辛いなぁ
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せつなユレイドルヤドランガラガラ ケシゴムハリーセンゴルバットロズレイド ユレイドルvsハリーセン 1 ハリーセン挑発 ユレイドルバリアーは無理っぽ 2 ユレイドル→ヤドラン ハリーセン滝登り8割 3 ハリーセン挑発 ヤドランサイコキネシス襷耐え 4 ヤドラン→ユレイドル ハリーセン大爆発3割→ゴルバット ユレイドル食べ残しで3割 計画通り!(ニヤリ 5 ゴルバット鈍い素早さ↓攻撃防御↑ ユレイドルミラーコートミス ユレイドル食べ残しで4割 鈍い…だと…? 6 ゴルバット鈍い素早さ↓攻撃防御↑ ユレイドルバリアー防御↑↑ ユレイドル食べ残しで5割 7 ゴルバット毒毒の牙3割+猛毒 ユレイドル自己再生9割 ユレイドルいろいろあって8割 8 ゴルバット→ロズレイド ユレイドル→ガラガラ 9 ガラガラ→ユレイドル ロズレイドシャドーボール急所で2割 ユレイドル食べ残しと毒で2割 10 ロズレイドシャドーボール急所で乙→ガラガラ 11 ロズレイド→ゴルバット ガラガラ炎のパンチ5割 ゴルバット黒いヘドロで5割 12 ゴルバット毒毒の牙9割 ガラガラ捨て身タックルゴルバット乙→ロズレイド 13 ロズレイドリーフストームガラガラ乙 ロズレイド特攻↓↓→ヤドラン 14 ロズレイドリーフストーム乙 ロズレイド特攻↓↓ ケシゴムさんの勝ち! さすがロズレイド!特攻下がっててもなんともないぜ!
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せつなヤドランカビゴンガラガラ アイナメガヤンマラグラージムウマージ ヤドランvsメガヤンマどうみても不利です本当に(ry 1 メガヤンマ身代わり ヤドラントリックルーム メガヤンマ加速 時空はゆがんでいる 2 ヤドラン冷凍ビーム身代わり乙 メガヤンマ虫のさざめきヤドラン乙→ガラガラ メガヤンマ加速 時空はゆがんでいる 3 すごいラグの予感がするぜ! メガヤンマ→ラグラージ ガラガラストーンエッジ7割 時空はゆがんでいる ですよねー 4 ラグラージ→メガヤンマ ガラガラ捨て身タックルメガヤンマ乙→ムウマージ 時空はゆがんでいる 5 ガラガラストーンエッジ1割 耐えるのかよw ムウマージ鬼火火傷 アッー!! 時空は戻った! ガラガラ火傷で9割 6 ムウマージ→ラグラージ ガラガラストーンエッジ5割 ガラガラ火傷で8割 7 ラグラージ滝登りガラガラ乙→カビゴン 8 ラグラージ→ムウマージ カビゴンカウンターミス 交換かアッー!! 9 ムウマージ痛み分けムウマージ9割 カビゴン5割 速 さ が 足 り な い ! ! カビゴン大文字6割 10 ムウマージ鬼火火傷 カビゴン大文字4割 カビゴン火傷で4割 11 ムウマージ→ラグラージ カビゴン大文字4割 カビゴン火傷で3割 12 ラグラージ馬鹿力カビゴン乙ラグラージ攻撃防御↓ アイナさんの勝ち 一番の敗因はなによりも 速 さ が 足 り な い ! !
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【桃園ラブ】 [名前]桃園ラブ [出典]フレッシュプリキュア! [異名]伝説の戦士プリキュア、キュアピーチ [声優]沖佳苗 [性別/年齢]女性/14歳 [一人称]あたし、私 [二人称]君、あなた、アンタ [三人称]あの人、あいつ 「幸せ、ゲットだよ!」 公立四つ葉中学校に通う中学2年生で、桃色のピックルンであるピルンによって「愛」の力に目覚めて最初にプリキュアになった少女。 「ラブ」という名前は祖父の桃園源吉が、広い世界でも通じるように「将来、愛情を持って何かを成し遂げる子になって欲しい」という願いから名付けた。 キュアピーチに変身するようになってから同じプリキュアの蒼乃美希、山吹祈里、東せつなと共に多くの人々を救い、世界を守り抜いた。 またその優しさから、ラビリンスの幹部だったイースと心を通わせて改心のきっかけを与えて、劇場版では子ども達への憎しみに囚われていたトイマジンを救ったこともある。 他にもプリキュアオールスターズDXシリーズでは、別のプリキュア達とも力を合わせて邪悪な闇を打ち破った。 把握の際は本編を見れば充分だが、今回はプリキュアオールスターズDX3終了後なので、一応DXシリーズも把握する必要もある。 小説版では、中学三年生。美希や祈里が進路を決めている中で自分だけ夢がない事に悩む姿が描かれ、愛美先生との事件の中で教師という夢を志すようになっていった。 [外見] 身長は159cmで血液型はAB型。女子中学生の平均的身長より少し高い。 オレンジ色の髪はツインテールに纏められているが、たまにアフロヘアーにされてしまうこともある。(本編のギャグシーンやゲームのOPなど) 活発な性格の為、動きやすそうな服を着ることが多い。 [性格] 何事にも一生懸命で天真爛漫で、いつも自分よりも誰かのために行動している。その優しさと明るさの反面、自分のせいで誰かが不幸になってしまってはとことんまで落ち込んでしまう脆さも持ち、その度に美希に叱咤されて立ち直っていた。 そしてクラスメートの知念大輔と喧嘩しては、意地っ張りになってしまう部分もある。 三人組ダンスユニット「トリニティ」の大ファンで、特にリーダーの知念ミユキには強い憧れを抱いている。その為、彼女のレッスンを受けられると聞いた時には大喜びをした。 また、100円玉を貯金しているのだが、カオルちゃんのドーナツを買う為についつい消費してしまうなど、堅実なやり方が苦手な部分もある。 せつなが自分の正体がイースであることを明かした時や、トイマジンの中にウサピョンがいたのを知ってしまった時のように落ち込んでしまうことが何度かあったが、美希が何度も立ち直らせたおかげなのか最終的には一人で立ち上がれる程に強くなっている。 (ソレワターセの体内に溜まったFUKOのエネルギーが世界に散らばりそうになった時や、オールスターズDX2で追い込まれた時のように) オールスターズDX3でも妖精達と離れ離れになると知った時は涙を流したが、それでも世界を救う為に立ち上がった。 落ち込む時はとことんまで落ち込む反面、立ち直った時にみせる気力は凄まじいのかもしれない。 [他キャラとの関係] 美希や祈里とは幼馴染で、プリキュアとしても互いを信頼し合っている。普段は美希のことを「美希たん」と呼んでいるが、いざという時は「美希」と本名で呼ぶ。 せつなのことは占い館で出会った時から信頼していたが、イースとしての彼女とは敵対していた。しかし正体を知った後、互いの想いをぶつけ合いながら戦ったことで本当の絆が芽生える。 ノーザとは敵対していて、本編後半から何度も激突した。ベリー、パイン、パッションの三人と力を合わせて、最終的にノーザクラインとなったノーザを浄化して元の姿に戻している。 花咲つぼみや来海えりかとはDX2で出会ってから友達になり、明堂院いつきや月影ゆりとはDX3の時点では既に友達となっている。 [能力] 勉強はスポーツは得意ではないが、小さい頃から家事を手伝っていたので料理は得意。しかしニンジンが苦手で、裁縫もあまり得意ではない。 他にも毎日ダンスレッスンをしているおかげで、ダンスチーム「クローバー」のみんなで優勝する程の実力も誇っている。また、レッスンとプリキュアの両立で一時期体調不良に陥った時、体育が上手く出来ないのを心配されたから、人並み程度の体力はあるかもしれない。 あと、最終回ではコンピューターのメビウスも救おうとしたので、包容力もかなりあるだろう。 そしてキュアピーチに変身した時は凄まじい運動能力や耐久力を発揮する。尤も、これは彼女だけでなくほとんどのプリキュアにも言えることだが。 巨大なナキサケーベやソレワターセを一人で蹴飛ばせる程の攻撃力はあり、更にナケワメーケのミサイル攻撃を受けてもあまりダメージがないことから防御力も相当高いかもしれない。あと、ミユキ曰くピーチは四人の中で一番パンチ力が高いようだ。 多くの人々から愛の光を受け取った時、キュアエンジェルにも姿を変えられる。(劇場版、TV最終回、DX2&3) 以下、変身ロワにおけるネタバレを含む +開示する 桃園ラブの本ロワにおける動向 基本情報 初登場 003 不幸のバトルロワイヤル! 幸せを取り戻せ!! 最終登場 190 みんなの言葉! 思い出は未来のなかに!! 参戦時期 本編終了後(プリキュアオールスターズDX3以降) スタンス 対主催 変身回数 キュアピーチ(9) 所持品 リンクルン 支給品 カオルちゃん特製のドーナツ@フレッシュプリキュア!、毛布×2、ペットボトルに入った紅茶 参加者関係表 キャラ名 状態 関係 呼び方 本名 初遭遇話 生死認識 蒼乃美希 友好 幼馴染 美希たん、美希、ベリー 未遭遇 生存 山吹祈里 ブッキー、パイン 死亡 東せつな 元の世界の友達 せつな、パッション 花咲つぼみ つぼみちゃん、ブロッサム 生存 来海えりか えりかちゃん、マリン 死亡 明堂院いつき いつきちゃん 月影ゆり ゆりさん ノーザ 敵対 元の世界で敵対 ノーザ 未遭遇 巴マミ 友好 一緒に行動して協力 マミさん 003 不幸のバトルロワイヤル! 幸せを取り戻せ!! モロトフ 敵対 テッカマンランスへの変身後のみ。交戦する。 テッカマンランス 052 ラブとマミ 終わらない約束!(前編) 黒岩省吾 友好? 暁との戦いを見届ける 黒岩さん 055 野望のさらにその先へ ティアナ・ランスター 敵対 トリガーへの変身後のみ。交戦する。 075 新たなる戦い! 思いは駆け巡る!! 井坂深紅郎 ほぼ未認識。ティアナを逃がされた。 死亡 涼村暁 友好 一緒に行動して協力。別行動をしたが、再会 暁さん 097 ライバル!!誰?(前編) 生存 石堀光彦 共に行動する 石堀さん 103 ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 西条凪 石堀の同行者という認識。会話はしていない。死別 死亡 一文字隼人 一緒に行動して協力。死別 一文字さん、仮面ライダー 103 ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(後編) バラゴ 敵対 暗黒騎士キバへの変身後のみ。交戦する。 キバ 生存 天道あかね ナスカ・ドーパントへの変身後のみ。一文字と戦闘しているのを目撃 139 地球に生きる僕らが奇跡 ン・ダグバ・ゼバ 交戦する 157 ひかりのまち(前編) 死亡 涼邑零 友好 情報交換の後に共闘して別れる 110 さようなら、ロンリー仮面ライダー(前編) 生存 結城丈二 ゴ・ガドル・バ 敵対 交戦する 名前のみの情報 キャラ名 状態 情報 情報伝達者 説明 第一回放送まで 地元の公立四つ葉中学校に通う2年生で、愛の力を持つプリキュア・キュアピーチに変身する少女。プリキュア達の中心となり、持ち前の明るさで管理国家ラビリンスから人々の幸せを守ってきた。 今回はプリキュアオールスターズDX3(恐らく、スマイルプリキュア!勢の事も知っていると思われる)終了後からの参戦なので、ハートキャッチプリキュア! の参加者についても知っている。(ただし、クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しくない) 最初は堂本剛三、フリッツ・フォン・ブラウン、クモジャキーの死を悲しんでいたが、殺し合いで人々を悲しませようとする加頭順に立ち向かうと決意し、その矢先に巴マミと出会った。 マミと行動を共にしている内に、ノーザやダークプリキュアが生きている事からこの殺し合いにフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると推測する。そんな相手に不安を覚えるマミを、何とかラブは励ます。 だがそれから事態は急速に変わり、テッカマンランスに変身したモロトフを発見。図書館を破壊したランスを前にキュアピーチに変身して、魔法少女に変身したマミと力を合わせて立ち向かう。 ランスの圧倒的戦闘力に追い詰められてボロボロになるも、決して諦めないマミの姿を見てピーチは立ち上がり、放たれたボルテッカを相殺。その反動で気絶してした彼女は、マミに抱えられてその場を離脱することに成功する。 目覚めた彼女はマミから最後の願いを託され、この殺し合いに巻き込まれた人達を助けると誓った。その後、マミの遺体を埋葬したラブは黒岩省吾と出会って情報交換の末、同じプリキュアの花咲つぼみが北にいることを知って教会に向かう。 第二回放送まで しかし、その中途で放送によりえりかの死や、マミの知り合いの死を認識。深い悲しみのさなか、トリガードーパントの襲撃を受け、キュアピーチに変身して交戦。黒岩を逃がすことに成功し、戦闘も中断となった。 廃教会に着くと、照井が埋葬された墓を発見し悲しみに明け暮れた。 悲しみを乗り越えた彼女は黒岩と再会するも、その直後にトリガー・ドーパントとなったティアナが再び襲いかかるが、そこに現れた涼村暁が変身するシャンゼリオンや暗黒騎士ガウザーと共に撃退。 ウェザー・ドーパントによってまたしても逃げられてしまった後、喧嘩をし始める暁と黒岩に頭を悩ませてしまう。 暁と黒岩の間に挟まれてどうすればいいのか戸惑うラブの元に、仮面ライダーアクセルに変身した石堀光彦が気絶した西条凪を抱えて現れ、村に行ってはいけないと忠告される。 だが、一文字隼人が危険人物を食い止めていることを知った彼女はキュアピーチに変身し、周囲の制止を振り切って単身村へ向かった。 そして、暗黒騎士キバを相手に戦う仮面ライダー二号を援護するが、それでも苦戦を強いられる。ライダーキックと烈火炎装の打ち合いに負けた二号の代わりに彼女は戦おうとするが、石堀の言葉を思い出す。そこでキュアピーチはラブサンシャインフレッシュでキバの動きを止めた隙を突いて、二号を連れて撤退した。 戦いを終えた彼女は一文字と一緒に体を休める。その後支給品確認などをしたのち再び出発する。 第三回放送まで 放送でせつなや祈里など多くの知り合いの名を呼ばれ、一文字に顔を隠してもらってその死に涙する。やがてマミを埋葬した場所までやってくると、死んでいった友達へ誓いの言葉を述べた。 その後、一文字と共に図書館の跡地に辿り着いて、モロトフと遭遇。テッカマンランスに変身したモロトフを前に、ラブもまたキュアピーチに変身したことで二度目の交戦が始まった。 ランスがキュアパッションを殺したと言い放ち、多大なショックを受けた隙を付かれて圧倒されてしまう。しかし仮面ライダー二号に変身した一文字の助けによって窮地を脱して、そこからランスへの反撃を開始した。 戦いの中、キュアピーチはランスに『どうしてそんなに戦いたがるの』と問いかける。それに対してランスは『宇宙に人間のような種族は邪魔だから』と答えるが、キュアピーチは断固としてそれを否定した。 何故なら彼女は、みんなが他の誰かに幸せを与える世界に邪魔な生き物がいないと信じているからだ。無論、それはランスも例外ではなく、これ以上ランスに他の誰かを殺されない為に戦い続ける。 しかし彼女の想いは届くことはなく、追い詰められたテッカマンランスはたった一人で自爆した。彼の死に虚無感を覚えながらも二号の元に戻る。だが、そこにいたには乱入したレッドナスカに殺害された一文字隼人の死体だけ。 一文字や友達の死にラブは一人で涙を流しながら、その場を走り去ってしまう。 市街地から正反対の方向を歩くラブの前に現れたのは暁。全てを話した後、暁から慰めてもらったラブは笑顔を取り戻して、再び市街地を目指して歩き出した。 暁と話をしている最中に一文字の遺体を見てしまい、再び悲しみに沈みそうになる。だが、シャンゼリオンに変身した暁が一文字を埋葬してくれたおかげで立ち直った。その後、ユーノ・スクライアとフェイト・テスタロッサの遺体を見つけて、キュアピーチに変身して二人を埋葬した。 市街地に辿り着き、そこで石堀と意識を失った凪と再会。石堀から黒岩の裏切りを聞いてショックを受け、なんとかして彼を止めたいと願うが、自分の手で黒岩と決着をつけたいという暁の願いを尊重し、ひとまず黒岩の事を彼に委ねることにする。 カフェにて石堀にラビリンスについて話そうとしたところへ全裸のダグバが現れる。女の子にはやはり刺激の強い姿だった。いきなりダグバに襲い掛かる暁に戸惑いつつ、石堀に促されて変身するが、変身アイテムの奪取を目的としたダグバにより凪の持っていたスカルメモリを奪われ、仮面ライダースカルに変身したダグバにより凪を殺されてしまう。怒りを胸に暁や石堀と共に交戦し、その最中ダグバが祈里を殺したことを知りさらに怒りを強くする。途中気絶して戦闘から離脱した暁のもとへ向かうと、彼から離れるように言われ、その後の戦闘には介入せず、シャンゼリオンを応援した。 ダグバが殺された後、暁と会話したラブは、彼の黒岩との戦いことについての心情を聞き、探偵である暁に黒岩との戦いに必ず勝つことを、デート一回という報酬で依頼した。 第四回放送まで 放送後、ダグバに殺されてしまった凪を埋葬して、別れの言葉を告げる。落ち込みそうになるが、暁と石堀の助言によって立ち直った。 移動中にクローバーボックスを取り戻すが、石堀と暁が弾かれたことに疑問を抱いてしまう。そして石堀がダグバの遺体処理に向かった頃、ラブは祈里の焼死体を見つけて、キュアピーチに変身して埋葬した。 彼女の墓にドーナツを供えて、暁や石堀と共にその場を後にした。 中学校に辿り着いた後、石堀の提案でゴハットの言っていた制限の解除を行うことになり二人と一度別れるが、三十分経っても誰も現れず、制限解除はなかった。暁の制限解除として渡されたヒーローマニュアルⅡについて話している所へ、黒岩が現れた。約束通りに黒岩を暁に任せ、彼らの愉快な戦いを最後まで見届けた。 暁と黒岩の戦いが終わった後、放送まで休むことになり、人気のない教室で一人休んでいると、暁が現れラブレターを渡される。そこに書かれていた石堀の危険を伝える内容に、暁にどういうことなのかと問い詰めるが、デートの時に詳しいことを話すと言われ、とりあえずは引き下がった。 暁と石堀がポーカー勝負を見守っていると、二人はそれぞれ変身してリアルファイトに突入しそうになったが、ラブが怒ったことで何事もなく終わる。 第五回放送まで 放送後、いつきの死を知った後に結城丈二と涼邑零の二人が現れる。 5人で情報と支給品の確認を行い、結城の手によってついに首輪が解体された。 その後、ゴ・ガドル・バの出現によって戦闘になる。ラブサンシャインフレッシュが通用しないことに悲しみを抱くが、仲間達の提案によってその場を離脱することになる。 これまでの戦いによる疲労が蓄積されていたのか、そのまま眠ってしまった。夢の中で死んでしまったプリキュア達と生きているプリキュア達や、マミや一文字からの励ましを受ける。 目覚めた彼女は零から結城のことを聞き、それから警察署を目指して歩いた。
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第18話『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(前編)――』 クローバーフェスティバルの特別ゲスト、トリニティがステージに上がる。ミユキ、ナナ、レイカ。たった三人の登場で会場が別の空間に姿を変える。 彼女たちの声に、視線に、魔力でもあるかのように。一挙手一投足に神秘の力でもあるかのように。 全ての観客の意識を独占する。バラバラに楽しんでいた人々が一つに繋がっていく。 せつなも、美希も、祈里も―― ただ一人――ラブだけを残して―― 「ラブ――ラブ――どうしたの?」 せつながラブの様子のおかしいのに気付いて声をかける。 喜びと興奮に包まれる会場において、一人切なく悲しそうな表情を浮かべる。 拳は固く握り締められ、相当な力が込められていることを示すように両腕が小刻みに震えていた。 「せつな……。大丈夫、なんでもないよ。トリニティのダンス、やっぱり凄いね」 「ええ……そうね」 せつなはそれ以上は追求せずに、ラブの拳をそっと開いて手を握った。 それでラブも落ち着いた様子だった。しかし、ステージが進むうちに再び様子がおかしくなる。 何かをこらえるような表情、せつなの手が痛みを感じるほど強く握られる。もう――理由を聞くまでも無かった。 せつなの表情が後悔に歪む。ダンス大会で優勝したクローバーには、本来はプロデビューへの道が開けていたはずだった。 だが、せつながラビリンスへの帰還を宣言したことでクローバーは本来の姿を失った。残された三人はせつな抜きで続けることを望まなかった。 美希と祈里もまた、それぞれモデルと獣医の夢を追うことになり、クローバーは解散した。 ただ一人――ラブの夢を置き去りにして。 …………………………………………………… ………………………………………… ……………………………… …………………… 「今のは――夢? フフッ、寝ている間に見る記憶の断片も、そういえば夢と言うんだったわね」 いっそ、夢であったらいいのにと思う。悪夢と呼ばれる類の、ありもしない妄想だったらいいのにと思う。 でも、全ては本当にあった出来事。夏祭りの思い出の一つ。 「だったら、せつながみんなの幸せを選ぶなら、あたしはせつなの幸せを選ぶ」 ほんの数時間前の記憶がその夢に重なる。 “自分の幸せとみんなの幸せ”そのどちらかしか選べないとしたら、せつなは迷わず後者を選ぶと答えた。 そんなせつなに対してラブは宣言したのだ、そうしたら全員が幸せになれるからって。 「そんなはず――ないじゃない……」 ラブ、美希、祈里で倒れるまで練習して、やっと望んだダンス大会。それをイースがメチャクチャにしてしまった。 それでもラブは平気だって答えた。心配してくれる人がいる幸せを見つけたからって。結果、あれほど夢中になっていたダンスを中断してしまった。 そしてついに優勝を手にしたのに、直後にせつながラビリンスに旅立ってしまった。結果、クローバーは解散を余儀なくされた。 それでもラブは自分を省みることもなく、せつなを笑顔で送り出してくれた。 「何が――どちらかなんて選べない……よ。いつだって自分は後回し、そんなのラブだって同じじゃない」 出会った時からそうだった。ラブは、自分が欲しかった幸せの素をせつなにプレゼントしてしまった。 まるで――始めからせつなのために求めていたかのように。 いつだってそうだった。ラブは始めからずっと、自分の幸せを諦めてでもせつなの幸せを選んできたのだ。 そして今回、はっきりと約束してしまった。それはラブの中で揺るがぬ誓いとなるだろう。今後訪れる、あらゆる選択に影響を与えるだろう。 「ラブから、離れるべきなのかもしれない。今ならまだ間に合う。別れてラブが失うものは、せつなという親友だけなのだから」 決心も固まっていない言葉を口にする。それだけで、出口のない暗闇の中に突き落とされるような気持ちになる。 構わないと思った。辛くても、苦しくても、ただ耐えるだけでいいなら慣れている。 いつかまた別れる日が来る。それは承知の上での再会だったのだから。 ひとつだけ心残りがあった。 夢とは何なのかってこと、それを知りたかった。幸せを導く大切な願い。わかるのは、ただそれだけ。 せつなの夢。みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしたいという想い。これとラブや美希や祈里の夢は果たして同じなのだろうか。 「私の夢はみんなの夢とは違うの? だとしたら、本当の私の夢を見つけられたら、何かが変わるのかしら」 トゥルル――トゥルル――トゥルル―― トゥルル――トゥルル―― トゥルル―― 聞きなれない音に思考が中断される。音の発信源は机の奥だ。暗闇の中で引き出しの一つが淡い光を放つ。 “異空間通信機”ラビリンスを発つ前にサウラーから手渡されたもの。携帯電話に偽装されており、距離を無視して異なる空間の通話を可能とする。 この世界ではオーバーテクノロジーと位置付けられるもの。だから、普段は机にカギを掛けて持ち歩かないようにしている。 ラビリンスを発って半年足らず、これが初めての通信だった。 「せつなよ。何かあったの?」 「よお、イース。元気か? なんだ、あんまり元気じゃ無さそうだな」 「ウエスター……雑談に付き合う気分じゃないの。そちらで問題でも起きているの?」 「その逆だ、全く何事もなく順調だ。だからもう――お前が意に沿わない仕事をする必要もなくなった」 「何が言いたいの?」 「楽しそうならこのまま切るつもりだったんだがな。もしそちらで上手くいってないのなら――」 「――帰ってこないか?」 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(前編)――』 クローバーコレクションの会場、四つ葉記念ホールに長蛇の列ができる。収容人数二千人の会場を埋め尽くす。 その舞台裏では、モデルがプロのメイクと打ち合わせしながら最終調整を急ぐ。髪型、化粧、ネイルと衣装とのバランスをギリギリまで突き詰めていく。 そして、緊張と興奮の高まる中、ついにステージが幕を開く! 巨大バックモニターに、モデルのプロフィールが契約ブランド名と共に映し出される。 暗い会場に巨大な十字架が点灯する。“クロスランウェイ”と呼ばれる全長三十メートルにも及ぶモデルの花道だ。 ダイナミックな音楽が鳴り響く。“ランウェイビート”と呼ばれるバックグランドミュージック。会場の全ての照明が点灯して、煌びやかにコレクションの舞台を彩る。 観客の大歓声の中、ついにモデルが登場する。ランウェイを颯爽とポージングを決めながら歩いていく。たちまちホールは興奮の渦に包まれた。 モデルの仕事は大きく三つに分類される。雑誌を扱うスチールモデル。CMやCFなどの映像モデル。そしてファッションショーに出演するショーモデルだ。 中でもコレクションの舞台は、ファッションフェスタとも呼ばれておりモデルにとって最大の栄誉とされている。人気ファッション誌の専属モデルが、雑誌間の垣根を超えて同じステージに立つのだ。 そんな今を輝くモデルたちの中に美希の姿もあった。有名ブランド契約のトップモデルとは比ぶべくもないが、コレクションの舞台はいわゆる青田買いを狙うスカウトも多い。 何より前座に近い扱いとはいえ、中学生でありながらコレクションの舞台に立つのは大変な成功者の証でもあった。 ついに美希の番が訪れる。緊張はするが初めてではない、大きく息を吸い込んで歩き始める。 衣装はジュニア誌とタイアップしたリアルクローズ(普段のお洒落着)だ。大人のモデルに劣らぬ長身に、青く、長く、美しい髪が揺れる。 誇らしげに歩ききって、ランウェイの先端でポージングを決める。会場のどこかにいるはずの親友を軽く目で探しながらウィンクを決め、ターンして戻っていく。 もちろん最後まで気は抜かない。後姿の披露もまた、モデルの重要な役割なのだから。 「凄い……とても綺麗よ。美希は夢を叶えたのね」 「うん、美希たん超キレイ! とても同じ中学生とは思えないよ。なんだか知らない人みたい」 「美希ちゃんの夢は世界で活躍するトップモデルだから、まだまだ満足はしてないと思うけど」 「でも、大きな一歩を踏み出したのよね。ちょっと寂しいけど、やっぱり嬉しい」 「寂しい? ブッキーが?」 「うん、なんだか美希ちゃんが遠くにいっちゃうような気がして」 「大丈夫だよ、美希たんは美希たんだもの。あたしたちはいつまでも一緒だよね? せつな!」 「えっ……、ええ、そうね――」 曖昧な返事しかできなくて、すぐに後悔する。ラブの表情に不安の影が差す。せっかく楽しいステージを見に来ているのに……。 “周りを笑顔にする”ラブがいつもしていることが、どうして自分にはできないのだろう? 美希の姿が視界から消える。しかし、その輝きはせつなの脳裏に焼き付いて離れなかった。 トリニティのダンスと同じだと思った。ラブの目指すダンサーの夢と同じだと思った。自分を輝かせ、その光で周囲を幸せにするもの。それが夢なのだろうか? だとしたら、“みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしたい”そう願う自分の夢は、本当の夢とは言えないのだろうか? 華やかで、綺麗で、眩しくて。楽しい時間はあっという間に過ぎる。やがてクローバーコレクションが感動的なフィナーレで幕を閉じる。 美希はこの後も色々用があるらしく、ラブ、せつな、祈里の三人で帰路に着いた。 「感動したね~! せつな、ブッキー、また来ようね!」 「うん、美希ちゃんの夢はみんなで応援したいもの!」 「……………………」 「せつな、どうしたの? 楽しくなかった?」 「あっ……。ごめんなさい、ちょっとぼんやりしてて……」 「もしかして熱があるんじゃ?」 「そんなんじゃないの。ねえ、ブッキー。今から動物病院を見学させてもらっていいかしら?」 「うん、帰ってからお手伝いしようと思ってたから構わないけど……」 「あたしも行こうか?」 「ラブは先に帰って夕ご飯の準備をお願い。みんなで押しかけたら迷惑になると思うし」 「わかった、遅くなるなら連絡してね」 ラブは一瞬怪訝そうな表情を浮かべたが、それ以上聞き返すことはしなかった。祈里もまた何か感じたようだったけど、口にはせずに一緒に帰ろうと言ったきりだった。 焦り過ぎているのは自覚している。“本当の自分の夢”そんなものがあるのなら、時間が掛かってもいいからゆっくり探そうと思っていた。 でも、そんなに時間はないのかもしれない。昨夜のラビリンスからの連絡は、早く決断しろという天の啓示なのかもしれない。 長くこの地に留まり続ければ、別れの時に、より大きな悲しみを残してしまうことになるのだから。 山吹動物病院。クローバータウンストリートの大通りにあって、外からは毎日のように見ている建物。実際に中に入ったことも何度かあった。 しかし、まじまじと観察するのは初めてだった。 診察室だけは壁で区画されているものの、極めて開放的な造りの建物だった。どこからでも見渡せる、そんなコンセプトが感じられた。 待合室はとても広々としていて、診察がなくても雑談に訪れる人もいる。動物の病院に対する恐怖を和らげるためでもあり、飼い主同士のコミニュケーションの場でもあるらしかった。 正と尚子に許可をもらって診察室に入れてもらう。 入ってみて、なぜ診察室だけが厳重に区画されているのかその理由がわかった。 実に多種多様な動物が入れ替わり診察に訪れるのだ。中には天敵と呼べる関係の動物の組み合わせもあった。これでは視界に入るだけで暴れだすだろう。 個人で経営している動物病院では、犬と猫しか診ない所も多いと聞く。その二種はもちろん、鳥類、ハムスターのような小動物、蛇やトカゲなどの爬虫類まで診察しているのだ。 それだけで正と尚子の腕が尋常なものでないことをうかがい知ることができた。 診察は正が行うが、治療は尚子が受け持つことも多い。その時は祈里が助手に入る。ただの手伝いではない。正の診察の前に、簡単な病気なら見抜いてしまうのだ。 祈里もまた、着実に夢に向って手を伸ばしている。そう感じられた。 彼らに共通して言えることは、情熱的で瞳が輝いていることだった。普段はそうは感じないけど、何かに夢中になっている時のラブの目と同じだと思った。 美希のモデルのような美しさではないけれど、そんな姿もまたキレイだと感じた。やはり活き活きと輝いて見えた。 残りの診察時間もあと僅か、このまま何事も無く一日を終えるかと思われた。そんな時、割れんばかりの大型犬の唸り吠える声が病院中に響き渡る。 急患の大型のシェパード犬だった。苦痛によって神経を尖らせていて、脅えて攻撃的になっているらしい。 前の病院の処置が悪くて病院不審になっており、なんとか逃げ出そうと牙をむいて暴れる。手の開いている祈里が押さえようと近づく。 「大丈夫よ、すぐに痛いのは収まるからじっとして」 「駄目だ! 祈里、離れなさい!」 「無理しちゃダメ、すぐに行くから!」 怖がる他の飼い主とペットのために、まずはなだめようと祈里が首輪を取る。しかし力が圧倒的に違う。たちまち振り払われて転倒する。 事故はその後に起こった。暴れた拍子に、緩んでいたマウスリングが外れてしまう。鳴き声が出た時点で予想されたこと。恐怖によって正気を失った猛犬の牙が祈里に襲いかかった! 「きゃああ!」 「ブッキー!!」 正が駆けつけるよりも、一足早くせつなが割り込む。拳をねじ込むようにして牙の軌道をそらす。 その後、偶然顎の下の皮を掴んだのが良かったらしい、噛むことのできなくなった犬は逃げ出そうとがむしゃらに暴れる。 しかし、せつなの拘束は外せない。次の瞬間にはあっさりと正に押さえ付けられてしまった。 「ありがとう、せつなちゃん」 「助かったよ、二人とも怪我はないか?」 「平気です。私こそ怪我をさせてないといいけど……」 その後は簡単だった。スタスタと近寄ってきた尚子が無造作に包帯で犬の口を縛ってしまう。 瞬く間に鎮静剤と痛み止めを打たれた犬は、それまでの暴れっぷりが信じられないほど従順に診察に従った。 もう下がって休みなさいという正と尚子の勧めに従って、祈里とせつなは部屋に戻った。 その時に、祈里が一瞬見せた悔しそうな表情が印象に残った。“悔しい”それは普段の祈里のイメージからは、あまりにも似つかわしくない感情だったから。 「ごめんなさい、ブッキー。私、あの犬を殴っちゃった……」 「あのくらい大丈夫だと思う。凄く強い犬種だし、ちゃんと手加減していたみたいだもの」 「飼い主さんも謝ってたしね。それより、今日は本当にどうしたの?」 「……………………」 せつなはポツポツと話し出す。クローバーフェスティバルで見せた、ラブの悔しそうな表情が忘れられないと。美希のモデルに賭ける想いからも、ラブと同じものを感じるって。 魅了されて、夢中になって、情熱をたぎらせる。自らを輝かせて、その光で周囲を幸せにする。それが夢なんだとしたら、自分の願いは何なんだろうって。 みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしたい。そんな願いは、果たして夢と言えるのだろうかって。 「ブッキーの夢は獣医。動物たちの病気を癒して幸せに導くお仕事。だったら、その夢は私の夢と似ているはずよね?」 「――違うよ……。わたしの夢と、せつなちゃんの夢は同じじゃないと思う」 「どうして!? 動物に幸せになってほしいから獣医になりたいんでしょ? 自分が輝きたいわけじゃないのよね?」 「わたしもラブちゃんや美希ちゃんと同じ。自分が輝きたいんだと思う」 「獣医……なのに?」 「そうよ」 興奮して立ち上がったせつなに、祈里は座るように促す。自分も一口だけ紅茶を飲んでから話し出した。 昔、まだせつなが仲間ではなかった頃、シフォンが突然苦しみだしたことがあった。祈里は看病を買って出たものの、シフォンの病気が何なのかすら突き止められなかった。 懸命に医学書を捲ったものの何もわからず、ただ成す術もなくシフォンが苦しむのを見ているしかなかった。ちゃんとした獣医がその場に居たら、きっと助けてあげられたはずなのに。 結局、原因はただの便秘だった。でも、もしも正が一緒に居てシフォンを治療してくれたとしても、祈里の心は完全には晴れなかっただろう。 祈里は、自分の手でシフォンを治してあげたかったのだから。 「――自分の……手で?」 「そう、さっきのも同じよ。わたしではあの子を助けてあげることができなかった。それが悔しいって思ったの」 「せつなちゃんはどうなの? 自分の手でラビリンスを幸せにしたいの? それとも結果が同じなら、自分はそこに居なくてもいいの?」 「私は――自分のことなんて考えたこともなかったわ……」 「だったら、少なくともわたしの夢とせつなちゃんの夢は違うと思う」 打ちのめされた気分だった。その後、祈里と何を話したのかすら覚えていない。四人の中で唯一、祈里の夢だけは自分と似ていると思っていた。 だから、彼女に聞けば何かがつかめると期待していた。でも、結局は全否定。祈里の幸せもまた、ラブや美希と同じもの。 自らを輝かせること。自らの望みを叶えること。夢とは、自分の幸せを追求することなんだろうか? (だとしたら、私がラビリンスでやってきたことは何だったと言うの?) 桃園家の夕ご飯、本日の料理当番はラブだ。メニューは当然のように特製ハンバーグ。 普段以上に豪華な盛り付けは、美希のお祝いだから。得意そうに今日のファッションショーの様子を話す。まるで、自分の活躍であるかのように―― ラブは他人の幸せを、自分の幸せと同じくらいに喜ぶことができる。だから、ラブの周りにはいつも幸せが溢れている。 チクリと胸が痛む。かつての自分に、同じことができたなら……。 今なら、できると思う。それ以上のことだって。当然だと思う。これ以上、何も望むものがないくらい幸せなんだから。 ラブが幸せなのとは全く意味が違う。本来なら、得られるはずのない幸せを手にしたのだから。 イースはどうだったろう? 他人の幸せが羨ましくて、笑顔を見るのが辛くて、笑い声が耳に痛くて。 目を閉じて、耳を塞いで、力の限り暴力を振るった。 任務だった。使命感もあった。でも、自分だけは誤魔化せない。 (私は――ラブが、幸せそうな人たちが、うらやましかったんだ……) ラブは自分の幸せを求めながらも、他人の幸せも心から望み、喜ぶことができる。たとえ、その幸せが自分には手の届かないものであっても。 せつなは、イースは違う。自分の幸せを諦めることによって、他人の幸せを喜べるようになった。 始めから、自分の幸せよりも他人の幸せを選んでいる。それを前提にすることで自分が生きることを許している。 それでも不幸にはならなかった。自ら手を伸ばさなくても、幸せは向うの方からやってくる。 まるで、絶え間なく押し寄せて止むことのない波のように。 ラブにあってせつなに無いもの。それは自分の幸せの有無ではない。 (私とラブの一番大きな違い。それは、自分の幸せを心から望んでいること。それが夢なのだとしたら……) 「せつな? せつな? どうしたの、大丈夫?」 「具合が悪いの? せっちゃん。さっきから何も食べてないじゃない」 「何かあったのか?」 「あっ……。ううん、なんでもないの。心配かけてごめんなさい」 “心配してくれる人がいる。それって凄く幸せなことだと思うの” かつて、コンサート会場でせつなが倒れた時、医務室でラブが話してくれたことを思い出す。本当に、そうだと思う。 でも、心配してる人にとって、心配することは幸せなことなんだろうか? (ラブは、私と出会ってから悲しい顔をすることが多くなった。そんな気がするから――) まだ薄暗い、早朝の四つ葉公園。かつて、クローバーの一員として毎日のように練習に明け暮れた場所。 せつなはダンシングポッドを設置して、静かに演奏の開始を待つ。 着ている服は学校で使っているジャージ。クローバーのユニフォームは、四人で踊る時しか使ってはいけないような気がした。 音楽が始まる、ダンス大会で優勝した時の曲を選択した。長いブランクがあるにもかかわらず、旋律に合わせて自然と身体が動き出す。 目を閉じると、今でも四人で踊っているような気持ちになる。だから――しっかりと目を開いて踊ることにした。 本当なら、ラブを誘っても良かったはずだった。ダンスの夢が諦めきれず、今でも時々一人で練習しているのも知っている。 そして――一人で本格的にダンスを再開する気にもならず、すぐに切り上げてしまうのも知っていた。 (ラブと一緒に踊れば楽しいに決まってる。でも、それじゃダメ。夢が自分の幸せを求める気持ちから生まれるのなら、一人で踊っても何かを感じ取れるはず) “自分の本当の夢”それは何だろうと、ずっと考えてきた。でも、どうしても見つけることができなかった。 最後の望みをかけて、もう一度ダンスを踊ってみようと思った。かつてただ一つ、一途に、懸命に打ち込んだものだったから。 あの時と変わらない曲。変わらない振り付け。身体は動く。なのに――まるで心が弾まない。 こんなに、味気ないものだったんだろか? あんなに――楽しかったのに。 自分はダンスが好きだったんだろうか? それとも、みんなと一緒にやれるなら何でも良かったんだろうか? 肩を落として帰る支度をする。もうみんな起き出してくる時間だ。黙って出てきたこともあり、これ以上心配はかけたくなかった。 少し歩いてすぐに足を止める。カオルちゃんのドーナツ屋さんの近くで、見知った三人の姿を見つけた。ラブと美希が何かを言い争っているようだった。 「この先にせつなは居るんだよね? 美希たん、通して!」 「せつなは今、自分の幸せを探そうとしているの。お願い、ラブ。せつなをそっとしておいてあげて」 「そっとなんてしておけないよ! せつな、ずっと様子が変だったもの。まるで迷子みたいに、悲しそうな顔をしていたもの」 「本当に、迷子なのかもしれないわ。本当の自分を探して、本当の自分の幸せを探して、迷っているのかもしれない」 「だったら、なおさら一人になんてしておけないじゃない」 「行ってどうするの? これが幸せだって、これが夢だって教えてあげるの? そんなものに正解なんてないのよ」 美希が通せんぼするように立ちはだかり、厳しい目でラブを見つめる。ただ、せつなをそっとしておきたいだけではない。ラブに伝えたいことがあるのは明らかだった。 クローバーの解散はせつな一人の脱退が原因ではない。それをきっかけに、美希がモデルの夢を本格的に追い始めたからだった。 せつなが帰ってきてからというもの、その様子に一番気を使っていたのも美希だった。 「押し付けてるっていうの? あたしが……せつなに?」 「ゴメン、言い過ぎたわ。だけどもう見てられないの。あの子、全然、自分のために生きてないじゃない。本当のせつなは、一体どこに居るの?」 「本当のせつな……。その幸せ? せつなは、今、幸せだって言ったよ。確かに言ったもの……」 「それはラブの幸せじゃないの? ラブとせつなは違う人なのよ。せつなにはせつなの人生があって、幸せがあって、夢があるはずよ」 「そんなのわかってる。だけど、あたしはせつなが……」 「ラブ、あなたもよ。ダンスの夢はどうするつもりなの? せつなが帰ってきてから、ミユキさんのレッスンまで断ったそうじゃない!」 「言いすぎよ美希ちゃん! わたし――そんなこと頼んでない!」 それまで様子を見守っていた祈里が割って入る。先日、家に来た時のせつなの様子がいつもと違っていたので、美希に相談したのだった。 フラフラとせつなが歩み寄り、三人は言葉を失う。そこでようやく、せつなに話を聞かれていたことに気が付く。 「私がラブの、幸せを妨げている? ラブの夢の足を引っ張っている?」 「せつなっ!」 「違うの、せつなちゃん!」 「待って! せつなっ!!」 せつなが呆然とした表情でその言葉を繰り返す。やがてその意味が本当に理解できたのか、それを否定するかのように数回首を振る。 無理に作ろうとした笑顔が哀しみに歪む。数歩後ずさって、そのまま背を向けて走り去った。 どこを通って、どれだけ走ってきたんだろうか? 場所なんてどうでも良かった。 ただ――今のことを考えるのが怖くて、無心に走り続けた。 気が付くと目の前は一面の緑。花の枯れた、葉っぱだけのクローバーの丘。無意識に人目を避けて、この場所を選んだのだろう。 限界まで酷使した身体を投げ出す。このままクローバーの葉っぱの一枚になれたら……。そんな風に考えてしまう。 「せつなが帰ってきてから、ミユキさんのレッスンまで断ったそうじゃない!」 ユニット“クローバー”の解散後、目標を失っていたラブにミユキは進んでコーチを買って出た。以前より、ずっと少ない頻度ではあったけれど。 ラブはどこにも所属することを望まず、たった一人で、時々コーチを受けながらレッスンを続けてきた。 (どうして、気が付かなかったんだろう? 夏に数回、レッスンを受けていたのは見ていたはずなのに) トリニティの活動が忙しくなったんだろうと勝手に決め付けていた。ラブはきっと、せつなを気遣ってレッスンを辞退したんだろう。 ダンサーの夢を一緒に追いかけられなくなったから。二人で過ごす時間を、大切にしたかったから……。 わかっていたことだった。ラブは始めからずっと、自分の幸せを諦めてでもせつなの幸せを選んできたのだ。 (何が、今ならまだ間に合うよ……。とっくに――手遅れなんじゃない……) そうまでして、ラブが守ろうとしたせつなの幸せって何だろう? 何のために、自分はこの街に帰ってきたんだろう? 「本当のせつなは、一体どこに居るの? せつなにはせつなの人生があって、幸せがあって、夢があるはずよ」 美希の言葉が思い出される。本当の自分って何だろうと思う。 イースとはもうお別れした。この姿が、今の自分。本当の――自分のはずだった。 「私の幸せって何だろう。ラブと出会って、手にした幸せって何だろう?」 桃園圭太郎とあゆみの娘であること。蒼乃美希と山吹祈里の親友であること。クローバーの一人であること。 トリニティのリーダー、知念ミユキにダンスを教わったこと。四つ葉中学に通う生徒であること。 クローバータウンストリートの住人と仲良くなれたこと。 愛して、心配してくれる人々に囲まれて、笑顔で暮らせる毎日があること。 「それが――私の幸せ? 私の――?」 ゾッとするような恐怖に襲われる。自分の信じていたものが、自分の立っている世界そのものが、音を立てて崩れていく。 「何を……言っているの? それはラブの幸せじゃない! どれも、これも、全て――ラブが持っていて、私にはなかったもの。 だから――うらやましいと、思ったもの。そう――ラブに伝えたもの……」 ハラハラと涙がせつなの頬を伝う。 「無かったんだ……。始めから、東せつなの幸せなんて――」 「やっと、わかった……。私がうらやましいなんて言ったから、だからラブは―― 私がドーナツを半分コしたみたいに、ラブは自分が持っている幸せを全部、惜しみなく私に半分くれたんだ……」 「何が――自分の夢を探したいよ。何が――みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしたいよ」 自分の幸せ一つ見つけられない者が、夢を叶えるなんてできるはずがない。まして、他人を幸せにするなんて……。 冷たい地面と秋風が、せつなから体温を奪っていく。気にもならなかった。心はもっと冷え切っているのだから。 涙は流れるに任せた。借り物だらけの感情の中で、悲しみだけが唯一、自分のものと信じられる心の働きだったのだから―― 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(中編)――』へ続く
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心の闇に刃を潜めて 「そんな馬鹿な!?なんでここにシャドームーンの名前があるんだ!!?」 南光太郎はマンションの階段付近で、乾巧――を名乗る草加雅人――に名簿を見せて貰っていた。 「………あいつはゴルゴムと共に滅んだ筈だ……まさか、まだ死んでいなかったと言うのか!?」 「……誰か知り合いでも居たのかな?」 「ええ、貴方はシャドームーンを……銀色のボディに、エメラルドに輝く眼を持つ男を見ませんでしたか?」 「その人は危険な人物なのかな?」 「………ええ、俺の知っているシャドームーンなら、危険だと言わざるを得ないでしょう………それで見たんですか?」 (あいつは確か俺の姿を見ていなかったな、南光太郎の口振りや後ろの二人を助けようとしなかった事からも ゲームに乗るかはともかく、他の参加者とは敵対する可能性が高い。今はあいつを泳がせておく方がいい) 「すまない、生憎そんな奴は見ていない……」 「そうですか………今、あっちの方で爆発が起こりませんでしたか?」 光太郎が指し示す方向では、建物が粉塵をあげながら倒壊していた。 「どうやらあそこで、戦闘が行われている様だな……」 「俺はあっちの様子を見てきます!乾さんはそこの部屋の中で待っていて下さい」 名簿を返しながら光太郎は、マンションの一室を指し示す。 「待て、俺も一緒に行こう」 「怪我の癒えていない、乾さんが来ては危険です!」 「負傷はしていても、戦う手段はある。それに危険を言うなら、ここに一人で居てもそう変わらない」 草加が同行を申し出たのは、計算に基いての事。 今から行けばゲームに乗っている者がまだ居たとしても、制限や戦闘によるダメージ、消耗によって戦えない可能性が高い。 ゲームに乗っていない者が居たら、そのまま仲間に引き込めばいい。 (いざという時は南光太郎を囮にして、逃げる事も出来るしな……) 「あそこに助けを求める人が居るかと思うと、俺ものんびり待っていられないからな」 冗談めかしてそう言った後、草加は真っ直ぐな表情で光太郎を見据えた。 「……分かりました。貴方がそこまで言うなら、共に行きましょう」 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ (本当に何なんだよ、この人は?) 城戸真司は混乱していた。 真司にしてみれば突然自分のカードデッキを奪って変身し、あまつさえ自分を殺そうとした男が またも突然にそのカードデッキを返し、礼を言ってきたのだから無理も無い。 しかもその男が自分に向かって、倒れてきたのだから真司の混乱は極みに達した。 「うわぁっ!!?」 咄嗟に抱き止めてみたら、男は気を失っている。 「ちょ!だ、大丈夫かよ!?いや、大丈夫じゃないのは見たら分かるんだけど」 真司は狼狽しながらも何とか男の息がある事を確認し、とりあえず近くの民家の中に運び込むことにした。 「お邪魔しまーす……って誰も居ないか、そりゃそうだよな……」 居間に布団を敷きそこに男を寝かせて、真司はようやく一段落付くことが出来た。 「でもこれから俺、どうすればいいんだよ……矢車さん放って置いて、他所に行く訳にもいかないし…… 早く蓮達を捜しに行きたいけど、やっぱり矢車さんが目覚めるまでここに居ないといけないよな……」 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ―――先程、みなさんに希望を訴えた真理ちゃんは命を落としました。 (おのれクライシス!真理さんの夢と命を無残にも引き裂くとは、この俺が許さん!!) 建物の倒壊があった場所に向かいながら、光太郎は再び怒りに打ち震える。 思いを言葉にしないだけ彼にしては自分を抑えているのだが、例によって真理殺害犯はクライシス帝国になっていた。 ―――みんな、聞こえたか。麻生さんや真理ちゃんが言った通り、諦めるんじゃないぞ。 (変身能力を持つであろうヒビキと、仮面ライダーキックホッパーが合流したか……) 怒りに燃える光太郎とは対照的に、草加の心は冷めている。 真理の死によって草加の思考は、ゲームの参加者を如何に効率良く殺すかだけに切り替わっていた。 今更誰のどんな呼び掛けの言葉を聞こうと、心が乱される事は無い。 (あの二人を殺すのは、仲間に引き入れて利用しながら隙を窺ってからか あるいは俺以外の奴をぶつけてだな……) 「なんて事だ!町が廃墟になるまで破壊されている!!この惨状、クライシスの仕業か!!」 「……南君、これを見てくれ」 廃墟と化したG-5エリアの町並みを光太郎と散策していた草加は、被害を免れた民家まで続く血痕を見付ける。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 真司は自分達が隠れている民家の玄関前に、人の気配を感じ取った。 玄関に聞き耳を立て、外の様子を窺う。 ―――この民家の中まで、血痕は続いているようだな。 ―――俺が中の様子を見てきます!乾さんは外で待機してて下さい。 ―――……分かった、だが無茶はしないでくれ。それと、もう少し声を落としてくれないかな。 (どうやら外の奴等は、二人で組んで動いているみたいだな。 お互いを気遣ってるし、悪い奴等じゃ無さそうだよな……よし!) 真司は意を決し、自ら玄関を開ける。 「あのー……」 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 警戒も露に草加の楯になって構える光太郎を見て、真司は慌てて両手を伸ばし自分の目の前で振る。 「ちょちょちょっと待った!!俺は戦う気は無いですよ!」 「戦う気が無いと言うのは本当か!?」 「本当ですよ!信じて下さい!」 草加は真司の手に、カードデッキを見付ける。 (あれは秋山蓮の持っていた物と、色違いだが同じ形状だ) 「君は秋山蓮の知り合いかな?」 「あ、あんた蓮の事を知ってるんですか!?」 草加は賭けに勝った事を、内心でほくそ笑む。 (やはり秋山蓮と同じタイプのライダーか、こいつも交渉次第で駒に出来るな) 「この家の中まで続いている血痕は、誰のものかな?」 「これはさっき重症を負っていた人を見付けて、その人を家の中まで運んだ時のもの……だと思います」 「ならその人を見せて詳しい事情を説明してくれないかな?それと秋山蓮との関係も教えて欲しい。 もしそれで君を信用出来るとこちらが判断したら、秋山蓮について知ってる事を教えよう」 「事情を説明したらいいんですね。……あ、その重症を負っていた人はこっちです!」 (こんな不当な取引にあっさり応じるとは、どうやらこいつもかなりのお人好しみたいだな) 光太郎と草加は、真司に案内され矢車の居る部屋に向かった。 「そうですか……蓮は殺し合いに乗っていたんですか……」 「ああ、秋山蓮はさっき話した二人の仲間、警官の制服を着た男と緑色の怪物に変身する女と共に……珠純子さんを殺したんだ」 居間に集まった三人はお互い殺し合いに乗る気が無い事を確認し合うと、詳細な情報交換を済ませた。 最も草加には、虚偽や隠している情報も有ったが。 「……蓮が……人を殺していたなんて」 『一つでも命を奪ったら、お前はもう、後戻り出来なくなる!』 『……俺はそれを望んでる』 何時か交わした蓮との会話を思い出し、真司は呆然とする。 (……蓮……お前はもう、後戻り出来なくなったのかよ……) 「……そうだ、こんな事してる場合じゃない!乾さん、蓮達はF-7エリアに居たんですよね!?」 「俺があいつ等を最後に確認した時は三人とも重症を負っていたし、秋山蓮と女は気を失っていた。 あれからそれほど時間も経っていないし、F-7エリア付近に居ると見ていいだろうな」 「俺、今から蓮達の所へ行って来ます!」 「待て!行ってどうするつもりだ!?」 「決まってるじゃないですか、蓮を止めるんですよ!」 光太郎の静止も聞かず、真司は自分の荷物をまとめ出発しようとする。 それを見て草加は、真司に蓮と氷川やひよりを始末して貰う事を思い付く。 (その前に一応、引き止める振り位しておくか……) 「少し落ち着いてくれないかな。彼等は既に人を殺しているんだ、口で言って説得出来るとは思えないがな」 「だからって放っとく訳にはいかないでしょ!」 出発を急ごうとする真司の肩を、草加が掴んで止める。 「今の彼等を止めるつもりなら、殺す位の覚悟が要る。君にそれがあるのかな?」 「何で殺さなきゃいけないんだよ!?そんな事しなくてもちゃんと止めてやるよ!蓮も、この戦いも……ッ!!?」 真司は全てを言い終わる前に、草加に殴り飛ばされる。 「いって~……何すんだよ!!お前……」 「この戦いを止めたいと思っているのは、お前だけじゃ無い!!!」 詰め寄る真司を、草加が一喝する。 「すまない……殴ったりして……だが秋山蓮達を止めたいのは俺も同じだ。 俺は……守ると約束した純子さんを、奴等に殺されたんだからな」 草加は顔を伏せ、拳を震わせる。 「………乾さん」 「秋山蓮は残忍で、仲間の二人は狡猾だ。奴等は善人の振りをして俺達に近付き 隙を見て無抵抗な純子さんを殺し、俺も奴等の内二人に深手は負わせたものの、逃げるのがやっとだった……」 震える拳からは、血が滲んでいた。 「生半可な覚悟で奴等に向かっても、返り討ちに遭うか利用されるだけだ」 「……そうですね、乾さんの言う通り生半可な覚悟で行っても、どうしょうも無いかもしれない」 真司は静かな表情に、迷いの無い目で草加を見据える。 「でも、どうしても放って置く訳にはいかないんです。あいつの闘いの重さを受け止めるって約束したから…… 殺す覚悟は出来なくても、命をかけてその約束を果たす覚悟はあります」 誠心な表情で真司を見返しながらも、草加は内心苛立つ。 (ゴミが!煮え切らない事を言いやがって……まあいい、何時までも引き止めて気が変わられても困る……) 「仕方ない、なら俺が君を奴等との戦闘があった場所まで案内しよう」 (俺も行ってあいつらとの戦闘中に、事故でも装って殺せばいい この単純な城戸真司なら、どうとでも誤魔化せる) 「俺は奴等を直接見た事がある、共に捜した方が見付け易いからな」 「乾さんは、まだ怪我が治ってないじゃないですか!」 「さっきも言っただろう、俺も君と同じ様に奴等を止めたいんだ。それに君一人を行かせたら、心配でしょうがないしな」 「………分かりました。安心して下さい!何があっても俺が乾さんを守りますから!」 笑顔を作りながらも悔しそうに顔を伏せる草加に、真司は同行を承服した。 「南君は悪いがここで、矢車想を見ていてくれないかな?」 「ええ。誰かが矢車さんに、付いていないといけませんから」 「すまない、君もシャドームーンを捜しに行きたいんだろうが……」 「仕方ないですよ、そっちは宛が無いですし」 「もしここを引き払わなければならなくなったら、ここからでも見えるあの一番高いビルの屋上で落ち合おう。 今日の18時の放送までに会えなかったら、俺達は死んだものとして行動してくれ」 そう言いながら草加は、矢車のデイパックを改める。 「乾さん……そのデイパック、矢車さんのじゃないですか?」 「ああ、彼の持つ武器を確認しておこうと思ってな。食料や水を奪うつもりは無いが 武器になる物は取り上げておいた方がいい」 「……でも気絶している人の物を取るのは、やっぱりまずいんじゃ……」 「君を襲った以上、これ位の警戒は必要だ。……どうやらこのカード以外は、特別な支給品は無いみたいだな」 「あっ!それサバイブのカードじゃないですか!!」 「君はこれを知っているのかな?」 「これを使えば、俺の変身するライダーはパワーアップするんですよ!!」 「なら、これは君に渡そう」 「え……でも、いいのかな?」 「どうせこの場に居る者の中では、君以外には使えない物だ」 「じゃあ、これは俺が貰っておきます」 「では、俺達はそろそろ出発しよう。南君、後の事は頼む。くれぐれも矢車想には気を付けてくれ」 「ええ、貴方達こそ気を付けて行って下さい」 草加は真司と肩を並べ、F-7エリアを目指す。 「しっかし驚いたな、神崎がクライシス帝国なんて連中と手を組んでたなんて! 幾ら優衣ちゃんの為だからって地球を侵略しようとしてる連中組んだり、 こんな殺し合いを仕組んだりしても優衣ちゃんは喜ばないっての!」 (こいつ南光太郎の話を信じてるのか?) 「ああ、俺も神崎を倒し、この島に居る人達を守りたい。……城戸君、力を貸してくれるかな?」 (まあ、それくらい単純な方が利用しやすいかもな) 「当たり前ですよ!いや~、なんか久しぶり意見の合う人に会ったみたいですよ。ホント乾さんに会えて良かった~」 (まずはこいつを確実に手懐けて……) 「……そうだな、俺も君に会えて良かったよ………」 (俺の言いなりになる駒に仕立てるとするか………) 草加は真司と、強く手を交わす。 内に秘めた、憎悪の闇を隠して。 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻:午前】 【現在地:市街地G-5】 [時間軸] 47,8話前後。優衣が消えたことは知っています。 [状態] 健康。 [装備] カードデッキ(龍騎) [道具] アドベントカード(サバイブ) [思考・状況] 1:乾さん……やっとまともな人に出会えた。 2:蓮達を捜し出して止める。 3:ひとりでも多くの人を助ける。 4:戦いを絶対に止める。 【備考】 ※草加を巧、ファイズだと思い込んで全面的に信頼。 ※神崎はクライシス帝国と手を組んでいると信じています。 ※サバイブのカードの種類は後の書き手に任せます。 【草加雅人@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻 午前】 【現在地:市街地G-5】 [時間軸] ファイズ終盤 [状態] 全身に負傷。背中に切り傷。疲労。参加者全員への強い憎悪。 [装備] カイザドライバー(カイザブレイガンのみ付属) 、ゼクトマイザー。 [道具] ファイズアクセル、三人分のデイバック(佐伯、純子、草加) ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ) マイザーボマー(ザビー、サソード、ガタック(小消費)、ホッパー)。 [思考・状況] 1:城戸真司と手を組み、利用し尽して殺す。 2:ゲームの参加者の皆殺し。 3:秋山蓮達を捜し出して殺す。 4:更に頼れる仲間を集める。 [備考] ※珠純子の死を秋山蓮か青いライダー(加賀美)に擦りつけようと考えています。 ※自分のことを乾巧と偽っています。展開に応じて、臨機応変に対応。 ※ゼクトマイザーは制限により弾数に限りがあります。 【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】 【1日目 現時刻:午前】 【現在地:市街地G-5】 【時間軸:第1話、RXへのパワーアップ直後】 【状態:健康。】 【装備:リボルケイン】 【道具:カラオケマイク(電池切れ)、ハイパーゼクター】 【思考・状況】 1:矢車想を見張る。 2:矢車想が気付き次第、事情を聞く。 3:シャドームーンを捜す。 4:打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す 。 【備考】 ※黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。 ※ガタックゼクターをクライシス帝国の罠だと勝手に確信しています。 ※草加を巧、ファイズだと思い込んで、全面的に信頼。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:午前】 【現在地:市街地G-5】 【時間軸:8話 ザビー資格者】 【状態:気絶。重症。全身打撲&火傷&刺傷(急所は避けていました。大出血もありません)】 【装備:ライダーブレス(ザビーゼクター破壊)】 【道具:無し】 【思考・状況】 1:気絶中 ※矢車はBOARDという名前に嫌疑(ワームの組織では?) ※カブティックゼクターは、どのような形でかは分かりませんが島に存在します(不明支給品?)
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たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(起の章) 美しかった紅葉も、その多くは散り、落ち葉を攫う風の冷たさが身に染みる。 空も、どことなく薄暗くて――街から色彩が失われる季節。 それを跳ね除けようとでもいうのだろうか、商店街は赤を基調とした華やかな装飾を纏う。 外路地にはイルミネーションの明かりが灯り、民家にはクリスマスリースやポインセチアの花が飾られる。 そんなお祭りムードに乗せられて、カオルちゃんのドーナツカフェでテーブルを囲む四人。ラブは調子に乗って、デタラメな歌を口ずさむ。 今夜はイブで、明日はクリスマスだ。昨年はラビリンスとの戦いのため、みんなで祝うことができなかった。 そこで、「今年こそは!」と、兼ねてより計画していた、クリスマスパーティーの最終打ち合わせを行っていたのだった。 「真っ赤なお尻の、トナカイさんは~♪」 「ちょっと、ラブったら、それじゃおサルさんでしょ? お鼻よ」 「あははっ、そうだっけ?」 「まったく、せつなに教わってどうするのよ……」 「ラブちゃんらしい。でも、本物のトナカイさんのお鼻は黒いのよ」 祈里も楽しそうに笑い、いかにも獣医の卵らしい解説を付け加える。 「それじゃ、どうして歌では赤いことになってるの?」 「それがよくわかってないの。ただ、そのトナカイさんは、赤い鼻のせいで仲間外れにされてたんだって」 「ひど~い! そんなのあんまりだよっ!」 せつなが不思議そうな顔で質問する。彼女がこの世界に来て、一年と半年が過ぎようとしていた。これでも随分と一般常識を身に付けたのだが、祈里の知識には及ぶべくもない。 祈里が伝承を思い出しながら続きを話そうとすると、興奮したラブが身を乗り出して抗議してきた。 「落ち着いてラブちゃん、あくまで言い伝えだから。でも、その子の鼻が明かりになるからって、サンタさんに誘われたそうよ」 「最後は、幸せになれたのね? 良かった」 「それでサンタさんの服も赤いのかしら? 赤と言えばせつなの色。幸せの色って感じよね!」 「美希たん、いいこと言う!」 どんな話題になっても、廻り回って、せつなを気遣う言葉になる。彼女は苦笑しつつも、そんなみんなの気持ちを嬉しく感じていた。 今回のパーティーだって、クリスマスを初めて祝う、せつなために企画されたものに違いなかった。 『たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(起の章)』 「あ~、でも楽しみだなぁ~。せつなは、サンタさんに何をお願いするの?」 「えっ? サンタさんにお願いって?」 「ちょっと、ラブ!」 「ラブちゃん!」 突然、とんでもないことを言い出すラブに、せつなはキョトンとして聞き返す。 美希と祈里もビックリしていたが、ラブはそしらぬ顔で続ける。 「クリスマスにはサンタさんがやってきて、プレゼントをくれるんだよ」 「それは、本当はお父さんやお母さんの扮装なんでしょ? この世界の風習なのよね」 せつなは大真面目で答える。クリスマスプレゼントは、子供たちが一年で一番楽しみにしているイベントだ。 いわば大いなる幸せであり、興味が無いはずがなかった。 「あっちゃー、やっぱり知ってたか……」 「当然でしょ? 子供じゃないんだから」 せつなの返事に、ラブはあからさまにガッカリした表情を浮かべる。 「そうかなぁ~、あたしなんて一昨年まで信じてたのに」 「ラブ、さすがにそれは……」 「そんな人いないと思う……」 呆れ顔の美希と祈里は、せつなと顔を見合わせて一斉に吹き出す。「え~っ」と不満そうにしていたラブも、すぐに一緒になって笑った。 もし、せつなが信じてくれたら、自分がサンタになってプレゼントする気だったんだろう。 「でも、どうしていつかバレるのに、サンタのフリなんてするのかしら?」 「そりゃあ、子供の喜ぶ顔が見たいからじゃ……」 「そうだけど、そのままご両親が渡しても、同じように喜ぶと思って」 せつなの素朴な疑問に、美希が自信なさそうに答える。そんなこと、考えたこともなかったからだ。 彼女は、それでも納得がいかない様子だった。わざわざプレゼントを渡すのに、他人に、しかも架空の人物に成りすます理由がわからない。 「夢を持って欲しいからじゃないかなぁ?」 「子供がサンタクロースを信じたら、何かいい事でもあるの?」 「いい子しかプレゼントをもらえないって話だし、、躾の一環なのかしら? でも、そんな風に考えたくないわね……」 「あたしね、それ、一昨年にお父さんに聞いたことがあるんだ」 それは、ラブが中学一年生の時の、クリスマス・イブの夜だった。 中学校に入って、ラブも女の子の自覚が出てきたのか、部屋に鍵をかけて寝るようになっていた。 コッソリ忍び込もうとした圭太郎は、扉から入るのを諦めて、ベランダから窓を外して侵入を試みた。上手く外せたものの、外から冷たい風が吹き込んで―― 「それで目を覚ましたラブは、本物のサンタだと思い込んで抱きついて、おじさんのカツラが外れたというわけね」 「オチまであるなんて……」 美希と祈里が、その時の様子を想像してクスクスと笑い出す。せつなはその後のことが気になるのか、黙って聞いていた。 「うん。それでショックだったのもあって、どうしてそんなことをするのか、お父さんに聞いたの」 「なんて言ってたの?」 せつなは気になって、ラブに話の続きを催促する。ラブは頷いて、圭太郎の言葉を思い出す。 プレゼントを手に入れるためには、お金を払って購入する必要がある。だから普通は親が用意する。だけど、親が子を愛して贈り物をするのは当然のこと。 家族でもなく、友達でもない他人が、プレゼントを贈ってくれる。そんな、無償の愛が世の中にはあることを、信じて育って欲しいからだと。 いつかは、必ずバレる時が来る。だけど―― 「不思議な出来事や、無償の愛を信じた子は、きっと優しい子に育つ、か。おじさん、いいこと言うわね」 「確かにラブちゃん、人一倍優しいよね」 「ラブだけじゃないわ」 「「「えっ?」」」 「そうやって、たくさんの愛情に包まれて育つから、この街の人はみんな優しいのね。その頃の私は、他人を出し抜いて、メビウス様に認められることだけを考えていたわ」 「せつな……」 胸の内を晒すように、せつなは寂しそうにつぶやいた。 さっき聞いた、赤い鼻のトナカイのことを思い出す。周囲と違う存在は、仲間として受け入れられない。それは、トナカイも人間も同じだろう。 もちろん、ラブたちが自分を仲間外れにすることはないだろう。だけど、トナカイがサンタクロースの側に新しい居場所を見つけたように、自分にも、他に相応しい居場所があるのかもしれないと。 いつの間にか、みんなの表情が曇っているのに気が付いて、せつなは慌てて笑顔を作る。 元よりそんな過去は承知で、だからこそ、これまでの分まで楽しんでもらおうと、企画してくれたクリスマスパーティーではないか……。 迂闊な発言を後悔して、せつなは、なんとか他の話題に切り替えようと頭をひねる。 そんな重い空気を、横から会話に割り込んできた大男が吹き飛ばした。 「そういうことなら、うってつけの物があるぞ?」 「うっ……ウエスター!?」 金色の髪を持つ、筋肉質で大柄な体格の美青年。一年前にラビリンスに帰還した、ここには居るはずのない人物。 それは――ウエスターのもう一つの姿、西隼人であった。 「いつ、この街に来ていたの? もしかして、ラビリンスに何かあったの!?」 せつなは、ウエスターとサウラーの厚意で、彼らにラビリンスのことを任せて四つ葉町に帰ってきている。 もし、不測の事態が起これば、彼女もイースとして故郷に戻らねばならない立場にあった。 「そうじゃない。実はサウラーに用事を頼まれてな、種子島まで行ってきたんだ。今はその帰りだ」 「そんなところに、何があるの?」 美希が不審に思って尋ねる。放蕩癖のある彼だが、その真剣な表情を見れば、バカンスに行ってたわけじゃないことはわかる。 ウエスターは、手にした水槽を見せた。そこには一体の、直径一センチほどの小さなクラゲが入っていた。 「可愛いっ!」 「可愛くないっ!」 「で、このクラゲがなんだっていうの?」 祈里のつぶやきに激しくツッコミながら、美希が気持ち悪そうに尋ねる。 タコに限らず、この手の軟体生物は得意ではない。 「こいつはベニクラゲと言ってな、全パラレルで唯一、『不老不死』の能力を持つ生き物なんだ。こいつを研究して不老――とまでは行かんが、長寿の薬を作ろうとしているらしい」 「感心しないわね、ウエスター。サウラーが言い出したの? そんな命をいじる研究より、もっと学ばなければならないことがあるはずよ!」 「そう言うな。やっとラビリンスが解放されたんだ。なのに、先の短い老人はあまりにも気の毒だろう? 際限なく使うつもりはない」 危険な研究かと警戒するせつなに、ウエスターはそこまでの効力は無いと説明する。 人間とクラゲでは、遺伝子の塩基配列が違いすぎる。よほど上手くいっても、十年か二十年、寿命を延ばせるだけらしい。もちろん、失敗すればただの美容薬だ。 「ねえねえ、それで、さっき隼人さんが言ってた、うってつけの物ってのは?」 「フフフ、それはな――こうするのだっ!」 “スイッチ・オーバー” 「ホホエミーナ! 我に力を!」 “ホホエミーナ~! ニッコニコ~!” いきなり西隼人がスイッチオーバーを行うと、懐から黄色いダイヤを取り出して、水槽に突き刺した。 出現する――超巨大クラゲ。ニコニコと明るく笑っているのが、余計に不気味であった。 カオルちゃんのお店のお客さんはもちろん、広場にいた住人たちも慌てて逃げまどう。「困るのよね~」と、カオルちゃんは冷静にボヤいていた。 「ホホエミーナ、やれ!」 「ニッコニコ~」 ホホエミーナは、せつなを触手で捕らえて自分の方に引き寄せる。彼女も抵抗しようとするが、生身でどうにかなる相手でもない。 ラブたちは、とっさに腰のリンクルンを探る。――が、今の彼女たちが持つのは、普通の携帯電話だった。 リンクルンは、タルトがスウィーツ王国に持ち帰っていたのだった。 「クッ、ウエスター! あなた、どういうつもり!?」 「なに、子供に戻りたいみたいだったからな、協力してやろうというのだ。心配するな、取って食おうってわけじゃない」 ホホエミーナの触手の先が、せつなに向けられる。ほんの一瞬、チクリとした痛みが腕に走った。 それを見届けて、ウエスターはホホエミーナを元の姿に戻した。 「痛っ! 何をしたの? ウエスター!」 「さあな? 後のお楽しみだ。俺からのクリスマスプレゼントだと思ってくれ」 「ふざけないでっ!」 怒りの形相で睨むせつなを、ウエスターは気にした風もなく受け流す。 そして、背を向けて立ち去った。 「一体、なんだったの?」 「さあ……」 「まあ被害は無くて、良かった……よね?」 ラブ、美希、祈里が、離れて行く彼の後ろ姿を、ポカンと眺めながらつぶやく。 せつなの顔色が良くないように見えたので、四人はパーティーの打ち合わせを中断して家に帰ることにした。 コポコポとポットが沸騰する。ラブは温めたティーカップに、数種類の葉っぱを入れて湯を注いでいく。 以前、美希からもらったハーブティーセット。普段はあまり口にしないのだが―― (せつな、大丈夫かなぁ? まさか隼人さんが、酷いことするとは思えないけど……) あの後、せつなは気分が優れないからと、部屋に篭ってしまっていた。 もっとも、ウエスターの行動は不可解だったが、せつなに危害を加えたと思っているわけではない。 以前の彼ならともかく、今は、共にメビウスと戦った仲間である。それに、せつなの気持ちに配慮して、四つ葉町に帰してくれた恩人でもあった。 コンコンと、ラブは控え目にせつなの部屋のドアを叩く。 しかし、返事は無かった。 「せつな、ハーブティーを淹れてきたの。気分がスッキリするんだって」 カチャリ、とドアが少しだけ開かれる。しかし、せつなが顔を見せることはなかった。 「せつな、どうしたの? 具合悪いの?」 明らかに様子がおかしい。ラブは不安を感じて、もう一度問いかける。 「うるさいっ! 入れ!」 「えっ? ……」 聞こえてきたのは、確かにせつなの声。でも、口調がどう考えてもおかしかった。これでは、まるで―― それに、なんだか子供っぽい、かんだかい声にも聞こえた。 ラブは大きく深呼吸して、せつなの部屋に足を踏み入れる。 ドアの先に居たのは、つややかな黒髪と、真っ白な肌の、可愛らしい小さな少女。 いや、顔立ちは整っているが、可愛くはないかもしれない。鋭い目付きでラブを値踏みするように見つめる、幼い子の姿があった。 「あの……せつなは? それに、あなたは一体?」 「せつな、だと? そんな者はここにはいない!」 なんだか、前に、どこかで聞いたことのあるセリフだな……と思いつつも、ラブは少女の次の言葉を待つ。 「わが名はイース。ラビリンス総統、メビウスさまのしもべだ!」 小学生だとしたら、きっと低学年だろう。 幼い女の子は、精一杯の威厳を見せようと、大きく胸を張って左手を伸ばす。 それは、可愛らしくも滑稽な動きだった。大抵の者が見れば、「かわいぃ~」と抱き付きたくなるくらいに愛らしい姿だった。 しかし、当のラブにそんな余裕は無かった。 ガチャンとティーカップを落とし、零れた中身はカーペットに染み込んでいく。 少女の顔立ちに宿る、確かな面影。そして何より、見覚えのある、大きすぎて裾の余ったぶかぶかのお洋服。 その女の子は……確かにラブの親友で、仲間で、家族でもある、“東せつな”その人であった。 たいへん! せつなが消えちゃった!? 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アイテムコード たいせつなもの アイテムコードはスクリプトを組む際、逆順にする必要はありません。 コード アイテム名 0301 マッハじてんしゃ 0401 コインケース 0501 ダウジングマシン 0601 ボロのつりざお 0701 いいつりざお 0801 すごいつりざお 0901 ふねのチケット 0A01 コンテストパス 0C01 ホエルコじょうろ 0D01 デボンのにもつ 0E01 はいぶくろ 0F01 ちかのカギ 1001 ダートじてんしゃ 1101 ポロックケース 1201 ダイゴへのてがみ 1301 むげんのチケット 1401 べにいろのたま 1501 あいいろのたま 1601 たんちき 1701 ゴーゴーゴーグル 1801 いんせき 1901 1ごうしつのカギ 1A01 2ごうしつのカギ 1B01 4ごうしつのカギ 1C01 6ごうしつのカギ 1D01 そうこのカギ 1E01 ねっこのカセキ 1F01 ツメのカセキ 2001 デボンスコープ 5D01 おとどけもの 5E01 ポケモンのふえ 5F01 ひみつのカギ 6001 ひきかえけん 6101 きんのいれば 6201 ひみつのコハク 6301 カードキー 6401 エレベータのカギ 6501 かいのカセキ 6601 こうらのカセキ 6701 シルフスコープ 6801 じてんしゃ 6901 タウンマップ 6A01 バトルサーチャー 6B01 ボイスチェッカー 6C01 わざマシンケース 6D01 きのみぶくろ 6E01 おしえテレビ 6F01 トライパス 7001 レインボーパス 7101 おちゃ 7201 しんぴのチケット 7301 オーロラチケット 7401 こないれ 7501 ルビー 7601 サファイア
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第20話『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(後編)――』 “ひゅん” 突然、せつなの足元から旋風が巻き起こる。それが広がるかのように強い風が吹き付け、木々の梢を大きく揺らす。 たっぷりの水分を含んだ、青葉の匂いを運ぶ温かい風。 陽の短くなった秋の夕方には、決してあり得ないはずの――それは、真夏の風だった。 せつなを中心にして、空間があるはずの無い姿へと変転していく。 儚げな夕日は、突き刺さるような暑い日差しに変化する。 木々はそれまでの紅葉が嘘であったかのように、深緑の命の輝きを取り戻す。 (何が……起こっているの?) 背後から人の気配を感じて、せつなはとっさに身構える。そして気が付く。 それは、近寄ってくる人物を敵として認識していること。相手から、殺気を、戦意を感じ取っていること。 この世界に住むようになって、久しく忘れていた感覚だった。 一人の少女が近づいてくる。 薄いグレーの半袖シャツに、黒のハーフパンツ。年頃の女の子にしては珍しいシンプルな服装。 何も持たない両手は、固く拳を握りしめる。瞳に闘志をたたえ、ミディアムレイヤーの黒髪を風に揺らしながら―― 『帰ってきたせっちゃん――ある日のせっちゃん。せつなが帰る日(後編)――』 (これは――かつての私? 夢でも見ているの? 違う! 夢は匂いまで感じ取ったりしないわ) 黒髪の少女はせつなに気が付くこともなく、歩を緩めずに一本道を真っ直ぐに進んでいく。 このままでは衝突する! せつなは横に移動して道を譲ったものの、肩と肩とがぶつかりあってしまう。 ぶつかりあってしまう――はずだった。 少女の肩はせつなの肩をすり抜け、何事もなかったかのようにそのまま歩き続けた。 (幻覚……じゃない、気配や殺気まで感じ取っているのだから。時間、いや、空間がズレているの?) だとしたら、自分だけ相手を知覚できるはずもない。原因は判らないが、ラビリンスの科学力すら超える奇跡の力が働いているらしかった。 とにかく少女の後を追う。 (私の記憶の通りなら、後、二百メートルほどで……) 向かい側から、同じくらいの背格好の女の子が駆けて来る。 ピンクにハート柄のタンクトップ。黒のショートパンツ。そして、薄茶色の髪の大きなツインテール。 瞳に強い決意と、深い愛をたたえた少女。 二人が対峙したその瞬間、空が彼女たちの心を映したかのように雲を纏う。風は、見守るようにピタリとその動きを止めた。 「お前を探しに行くところだった。わざわざ現れるとは、手間が省けたよ」 「気が合うね。あたしもせつなに会いに行こうとしてたとこだよ」 「今日こそ! お前と決着を付ける」 「うん、そうだね。こんなこと、もうやめにしよう。ううん、必ず止めさせてみせる!」 “スイッチ・オーバー” “チェインジ・プリキュア・ビートアップ” 「お前が友達だと思っていたせつなとは、この私。お前の変身アイテムを奪うために近づいたのだ。そうとも知らず気を許すとはな」 「今でも友達だと思っているよ。その友達をラビリンスから抜け出させるために来たの。あたしの全てを賭けて!」 「お前の――そういうところが頭にくるんだよ!」 何もかも記憶の通り。イースとキュアピーチに変身した少女たちは、激しい戦いを繰り広げる。 静まった風の代わりに、イースとピーチの拳と蹴りが大気を切り裂く。 更に近づいてくる二人と一匹の足音。美希、祈里、タルト、シフォンだった。彼女たちもせつなには気が付かない様子だ。 (干渉のできない過去の追体験というわけね。私に何を見せようというの? 全て知ってることなのに) 「アタシたちも変身よ!」 「うんっ」 「待って! ここはあたしに任せて。お願い、二人は手を出さないで」 イースはピーチ以外の者には一瞥もくれない。どうでもいいからだ、彼女たちが参戦しようとしまいと。 勝利のために、戦っているのではないのだから……。 雨足が強くなる。風の吹かない静かな森の中、小さな水滴だけが自然の存在を主張するかのように。 二人の悲しみを、共に嘆いているかのように―― イースとピーチの戦いは更に激しさを増す。 見ているだけで、せつなにも二人の気持ちが伝わってきて、苦しみに胸が張り裂けそうになる。 (二人の気持ち? イースの気持ち? イースはかつての私のはず、他人として何かを感じているというの?) 「こんなはずじゃ……。こんなはずじゃなかった!」 “国民番号ES4039781イース様。あなたの寿命は今日限りです。 お疲れ様でした” 間近に迫る死を前に、嘆きと悲しみ、そして悔しさを拳に込めて振るうイース。 その姿は、まるでピーチに泣きついている子供のようでもあった。 実際に泣いているのはピーチだった。イースの苦しみを感じ取り、自分の悲しみに変えて泣いていた。 そんなピーチの悲しみを感じ取り、美希と祈里も泣いていた。 (そうだったの……知らなかった。みんな泣いていたのね) 笑顔と幸せが輪になって広がっていくように、悲しみと不幸もまた輪となって広がっていく。 (だから――私はいつも周りを不幸にしてしまう) 「お前といると、私の中の何かがおかしくなっていく。お前といると、私が私でなくなっていく!」 「せつなっ!」 「初めて会ったあの日、幸せが訪れるなどとデタラメな占いを真に受けては喜び、その後も些細なことで幸せを手に入れたと言ってははしゃぎ、 罠にかけようとしているのに微塵も疑うそぶりも見せず、いつもいつもバカみたいに笑ってる。 そんなお前が……お前が――! うらやましいと思った!」 “魂の叫び” 死を前にして自分の気持ちと向かい合う。これほど純粋な想いが他にあるだろうか? うらやましい―― その言葉には一切の希望がなく、祈る余地もなく、ただ、届かぬものに対する憧れだけがあった。 互いの想いの全てを込めた、イースとピーチの渾身の一撃が空中で交差する。 眩い閃光の後、力を使い切った両者は地表へと落下する。 「うらやましいと……思ったんだ」 「そっか、よかった。やっぱりイースじゃない、せつなだったんだね」 穏やかな表情、素直な気持ち。やり残したことを終えたイースの、本当の素顔がそこにあった。 「変ね。あれだけ激しく戦ったのに、心が清清しい」 「それはね、ラブの心が伝わったからよ。ラブはね、ラビリンスからせつなを取り戻そうとして、心を鬼にして全力で戦ったの」 「心を、鬼にして……」 「あたしも、悩んでた気持ちがすっきりしたよ。せつなの心が伝わったから」 「ほら、立てる?」 「フン、私の心など……。あっ……あれは――幸せの素?」 「すごいよ! せつな。幸せを運ぶ四つ葉のクローバーはね、心から幸せを望んでいる人じゃないと見つけられないんだよ」 「心から幸せを?」 「今からでも、きっとやり直せるよ。さっ、幸せをつかみとって。せつなが見つけた幸せでしょ? ほらっ!」 それは、イースの境遇を知らないからこそ言えた言葉。 やり直せない――もう、間に合わない。だからこそ、会いに来たのだから……。 それでも、イースは手を伸ばそうとした。 そう――届かないなんて、叶わないなんて、許されないなんて。 そんなこと、夢を見ない理由にはならない。見れない理由になんてならないんだ! “時間です” 「せつな……どうしたの?」 「えっ?」 「なっ、何?」 「どうしたんや、急に?」 後、数センチ。もう少しで四つ葉のクローバーに手が届こうというその時、イースの身体が崩れ落ちる。 苦しみも、痛みも感じることなく。まるで、糸の切れた人形のように―― そこで時間が止まる。 ピーチも、美希も、祈里も、タルトやシフォンまでも。 森の木々や風や雨までも、その全てが動きを止める。 せつなは駆け寄る。 うつ伏せに倒れたイースの身体を、触れないと知りつつも抱き起こそうと手を伸ばす。 (えっ? どうして……) 先ほどはすり抜けた彼女の身体に、何故か触れることができた。 まだ、ぬくもりが残るイースの身体を抱き上げる。 (くっ……。っぅ――!!) 泥に汚れた銀色の髪をかき分け、せつなはイースの顔を覗き込む。 ゾクリと感じる恐怖と嫌悪。雷が落ちたかのような衝撃に襲われ、せつなは声にならない悲鳴を上げる。 安らかとは言い難い死に顔は、まさに彼女の人生そのものだった。 恐怖を感じる暇もなく、後悔する時間も与えられず、ただ一欠けらの幸せも手にすることなく。 何の感情も浮かべずに、瞳孔の開いた瞳をいっぱいに広げて―― ポタリ、ポタリ―― 雨は止んでいるはずなのに、イースの顔が濡れていく。 次々にこぼれ落ちる雫は、泥に汚れた少女の顔を少しづつ綺麗に洗い流していく。 それが自分の涙なのだと気が付くまで、せつなはしばらくの時間を必要とした。 (どうして、泣いているの? 知ってること、過去にあったことなのに) ただ、無性に悲しかった。せめて、幸せの素をつかむ時間を与えてあげたかった。 一度でいいから、笑顔になれる時間を与えてあげたかった。 幸せの喜びを、教えてあげたかった……。 生きる資格なんてないと思った。まして、プリキュアになるなんて―― 自分は、幸せになってはいけないような気がした。 それなのに、今、確かにイースを救いたいと思った。幸せになってほしいと願った。 (そうだったのね……。やっとわかったわ、自分は自分では見えないものね) 「許せない過去の私を、イースを、救うべき他人として見せるためにここに呼んだんでしょ? アカルン!」 その言葉に反応するかのように、景色が再び変転する。 腕の中からイースの重さがなくなり、やがて実体を失った。 ピーチも、美希も、祈里も、タルトやシフォンも。みんな透き通るようにして姿を消していく。 薄暗い雨空は、日の沈む前の紅い夕焼けに変わる。 深緑の森の木々は、赤と黄色の、美しい紅葉へと戻っていく。 そして、せつなの前に姿を現す懐かしい姿。プリキュアの妖精。幸せの赤いカギ、アカルン。 リンクルンを返却し、スウィーツ王国に戻ったはずの、東せつなのパートナーだった。 「久しぶりね。どうしてあなたがここに?」 「キ――」 「そう、そうだったわね。私とアカルンは繋がっている。あなたの力で生きていられるのだから」 「キ――」 「ええ、もうわかったわ。やっと、全部わかったの。あなたのおかげよ」 罪を感じること。反省し、後悔するのは大切なこと。生き方を改めて償うのは必要なこと。 だけど、自分を傷つけて、その幸せを認めないのは間違ったことなんだ。 自分を傷つけて罪の意識を和らげたって、そんなんじゃ誰も救われない。 今、自分がイースの不幸を悲しく思ったように。 東せつなを愛してくれた人たちだって、その不幸を悲しまないはずがないのだから。 「ラブのように自分から笑えなきゃ、誰も幸せにはできないのよね」 もう一つ、わかったことがある。 “そっか、よかった。やっぱりイースじゃない、せつなだったんだね” ピーチの言葉を思い出す。ピーチは、ラブは、最後までイースをせつなと呼び続けた。 東せつななんて、この世界に潜入するために自分で付けた名前。だから、そんな子は始めからいなかったんだって思ってた。 「せつなは居たのよね、ラブの中に。私を一番最初に愛してくれた人の心の中に」 そして、あゆみと圭太郎。美希や祈里。クラスのみんなや商店街の人たち。 せつなを知り、その名を親しみを込めて呼んでくれる全ての人たちの中に。 愛を込めて付けられた名前じゃなくても、愛された名前となり、愛される人として居場所を得たんだって。 「キ――」 「帰る時間なのね。ありがとう、アカルン。私はもう大丈夫よ」 アカルンは一瞬微笑むと、空高く上昇して消え去った。せつなはその姿を記憶に焼き付けて、アカルンの消えた赤い空に誓う。 幸せの妖精に選ばれた者として、恥ずかしくない生き方をしようと。 そのためには―― “幸せを運ぶ四つ葉のクローバーはね、心から幸せを望んでいる人じゃないと見つけられないんだよ” あの時、イースがつかめなかった幸せの素。キュアパッションが受け取るのを拒んだ四つ葉のクローバー。 もう一度探して――そして、自分の手で摘み取ってみよう。 そこから始めようと思った。 夕焼けの薄暗い森の中、せつなは目を凝らして四つ葉のクローバーを探し始めた。 陽が沈み、森は深い闇に包まれる。あれからずいぶん時間が経っていた。 木々の間から覗く星の光だけを頼りに、せつなは四つ葉のクローバーを探し続ける。 (必ず見つける。そして――帰るんだ!) どうしても、今、ここで見つけたかった。 ここはイースの最期の場所。そして、東せつなの生まれた場所なのだから。 “そんなお前が……お前が――! うらやましいと思った!” やっと、見つけたから……。自分だけの夢――自分の幸せのために見る夢を。 せつなじゃない、イースが見ていたんだ。その人生の最期に、届かぬ夢として、それでも叶えたい願いとして。 (どうして、もっと早く気が付かなかったんだろう) さっき、アカルンが見せてくれた過去。あれと同じことを、アカルンは前にもやってくれていたのだ。 それは、キュアパッションに生まれ変わる時。東せつなの心の中で。 公園でダンスに励むラブたちを、寂しそうに見つめる自分。ダンス大会の夢に挑むラブたちを、辛そうに見ている自分。 本当の自分の願い――本当の自分の夢を。 決して見えないはずの自分の姿を、アカルンは見せてくれていたのに。 “なりたい自分を思い描いて、その目標を実現させる”それが夢なのだとしたら、自分がなりたいものなんて決まってる! (ラブがミユキさんに憧れたように、私はラブになりたい。ラブの輪の中に入って、その幸せを一緒に広げていきたい!) それこそが自分の夢。イースが、その恵まれない人生の最期に見た、本当の自分の夢だった。 「やっと、見つけた。あなたの夢は私が叶えてみせるから。お帰りなさい――イース」 せつなは大切そうに四つ葉のクローバーを摘み取る。今度こそ、自分の幸せのために。 そして、背後から近寄る気配に振り返る。この良すぎるタイミングも、運命なのかもしれなかった。 「せつな、探したよ」 「ラブ、私――自分の夢が見つかったの」 せつなは手にした四つ葉のクローバーをラブに見せる。これは、“心から幸せを望んでいる人じゃないと見つけられない”もの。 だから、イースには見つけられたもの。そして今、イースから受け継いだもの。 「“幸せ”に、みんなの幸せと自分の幸せがあるように、“夢”にも、みんなのための夢と自分のための夢があるのね」 「うん、そうだね」 「私もラブのようになりたい。二兎を追って、両方ゲットしたい。ううん――必ずしてみせるわ!」 それは一年前、ラブがせつなに誓った決意。せつなが自分の言葉に置き換えて、言い直したものだった。 「ねえ、せつな。せつなの幸せは何? せつなの夢を聞かせて」 「私はラブのようになりたい。ラブのように笑って、同じ夢を叶えたい」 「あたしの夢? ダンサーの夢のこと?」 「ええ、私はプロのダンサーになる。ダンスで、みんなを笑顔と幸せでいっぱいにしてみせる」 「ダンスで、ラビリンスを幸せにするの?」 「世界中のみんなを、よ!」 「そっか。なら、せつなの夢はあたしの夢と一緒だね!」 「そうよ、私はラブのようになりたいんだから」 “いつか世界中のみんなの心を、愛情いっぱいにしてあげられる人になりたい” それが、ラブの名前の由来。そして、ラブがおじいちゃんの写真の前で語った夢だった。 「もう一度作ろうよ! あたしたち二人で、ダンスユニット“クローバー”を」 「ええ!」 「待ちなさい! 二人じゃユニットにはならないでしょ」 「わたしたち四人でクローバーじゃなかったの? ラブちゃん、せつなちゃん」 「美希たん! ブッキー!」 美希と祈里が木陰から姿を現し、そのまま会話に加わる。 ラブより少しだけ遅れてここに来ていたのだが、お話し中だったので様子を見守ることにしたのだ。 「ダメよ! 美希にはモデルの夢があるじゃない。やっと叶ったんでしょ」 「まあ、ここまで来たんだもの。モデルに専念するのが最善の道なんでしょうね」 「だったら!」 「でも、アタシは完璧なの。bestではなくperfect。それは、何もあきらめないということよ!」 「わたしもあきらめない。自分の夢も、みんなと一緒に見る夢も」 「ブッキー!」 「美希ちゃんと話したことがあるの。せつなちゃんが本当にやりたいことを見つけて、それがダンスだったならって」 「そんな……どうして? ブッキーだって、獣医の夢があるじゃない!」 「うん、ダンス大会の前から迷ってた。わたしの夢は獣医だから、プロになりたいわけじゃなかったし」 「浮かない顔してたことあったよね、あたしも気になってたんだ……」 「わたしね、引っ込み思案を治したくてダンスを始めたつもりだった。だけど、本当はそうじゃなかったの」 ラブにダンスに誘われた時、祈里はみんなの前で踊るなんて自分にはできないと断った。 それなのに、毎日のようにラブと美希のダンスの練習を盗み見ていた。 胸が締め付けられるような憧れと、羨望と、そして悔しさ。それもまた、自分の夢だったんじゃないのかって。 「逆だったの。ダンスがしたいのに言い出せなかった性格を治したかった。わたしも、ダンスが好きなんだって!」 「本当にいいの? ブッキー」 「うん。歌って踊れる獣医さん、全然ありだって言ったのラブちゃんだよね?」 ラブ、美希、祈里、せつな。四人の視線が交わる先に、それぞれの腕を真っ直ぐに突き出して掌を重ねる。 「ダンスユニット“クローバー”再結成だね。みんなの幸せも、あたしたちの幸せも、まとめて両方ゲットだよ!」 「当然でしょ! アタシたちは完璧だもの」 「きっと叶うって、わたし信じてる」 「私、精一杯がんばるわ!」 今度こそ、せつなは心に誓う。この手のクローバーが、自分の幸せを運んでくれるように、 ダンスユニット“クローバー”を、みんなの幸せの素にしようって。 「さっ、そろそろ帰りましょう。いくらアタシのママが奔放でも、この時間じゃね」 「わたしも連絡はしてあるけど、さすがに心配してると思う」 「そうだね。帰ろう、せつな。あたしたちの家に」 「そうね、私たちを心配してくれる人のところへ」 帰り際に、せつなは今日あったことをラブと美希と祈里に話した。 「アタシたち、アカルンに先を越されちゃったわけね」 「どういうこと?」 「ううん、なんでもないの」 「でもいいな~、あたしもピルンやシフォンやタルトに会いたいよ」 「アカルンちゃんは瞬間移動があるもの」 「もともと、自由気ままな子だったしね……」 昨年の夏のあの日のこと。アカルンと再会したってこと。懐かしい思い出に、会話を弾ませながら。 ラブとせつなが家に帰り着いたのは、日付も変わろうとする時刻だった。 あゆみと圭太郎が心配して玄関に飛び出してくる。 安堵と喜びの表情を浮かべたあゆみが、やがてうつむいて震えだす。その手はギュっと握られていて―― 直感で危険を察して、一歩下がるラブ。せつなはキョトンとその様子を眺める。 「せっちゃん、こんなに遅くまで、一言も無しにどこに行ってたの?」 「ただいま、おかあさん。あのね……」 「勝手にいなくなって、遅くなってごめんなさい」 玄関で頭を下げるせつなに、険しい表情のあゆみがツカツカと歩み寄る。 そして、大きく手を振り上げた。 パァァ――ン 少し離れて様子を見守っていた圭太郎がびっくりするほどの、大きな音が深夜の桃園家に響き渡る。 “平手打ち”ラブですら、ここまで強く打たれたことはないかもしれない。そのくらいに強烈な愛の鞭だった。 「せっちゃん、覚えておきなさい。親に心配かける子は、こうやって叱られるのよ」 頬に走る衝撃よりも、混乱の方がずっと大きかった。一体何が起きたのか、しばらく理解できなかった。 ようやく事態が飲み込めて、せつなは恐る恐る口を開く。 「おかあさん……。一つ教えて」 「なあに?」 「ラブは、心配してもらえるのは幸せだって言ってた。でも、心配するのは幸せなことなの?」 「心配するのは幸せじゃないけど、心配な人がいるのは幸せなことでしょ。だから、ほどほどにしなさいね」 「はい……。ごめんなさい――おかあさん!」 せつなはあゆみの胸に自分から飛び込んだ。そして、身体を震わせて泣いた。 ごめんなさいと、ありがとうを繰り返しながら。 まるで――小さな子供のように。 それは、今まで厳しく律していたせつなの心の開放だった。 ラブの幸せを分けてもらっていたんじゃない。ラブに憧れたせつなが手に入れた、本当の自分の幸せなんだって。 頬の痛みが、髪を優しく撫でる手の動きが、確かにそう教えてくれていた。 せつなは部屋に戻って異空間通信機を起動させた。ウエスターとサウラーに今日の出来事を話し、やっぱり戻れないと伝える。 この世界で、叶えたい夢を見つけたから。 いつか、自分自身とラビリンスを含めて、 世界中のみんなを、笑顔と幸せでいっぱいにしたいから――
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東せつな ◆VXFYPSg2w7pO タグ 安価 常駐スレッド 一人bumpスレ 常駐板 ニュース速報VIP+ コテハン暦 2012- レス 2 名前:東せつな ◆VXFYPSg2w7pO [sage] 投稿日:2012/03/11(日) 00 35 32.74 ID eM3Mlq4O0 [2/10] ☆★ テンプレ その1 ☆★ ☆★ 提案してくれた方のレスをそのまま流用してます ☆★ 426 返信:名も無き被検体774号+[] 投稿日:2012/03/02(金) 22 10 57.29 ID 27WGMnIV0 [1/4] 一人Bumpのすすめ 1、(スレ内で)名前欄にBumpでの名前を書いておくといいかも。 2、一般のユーザーも居ますので、なるべく(一般ユーザーと思しき)フルネームを書かないこと ・怪しい場合、相手に確認してみる。 ・面倒なら、名前欄にわかりやすい記号(Ex.VIP, +)を入力するなど、ちょっとした配慮を。 3、長時間振り続けるのは疲れると思うので、そんな場合、 284の方式を用いるとベター。 その他に良さげなルールがございましたら、適宜追加して下さい。長文失礼しました。 284 自分:東せつな ◆VXFYPSg2w7pO [sage] 投稿日:2012/03/02(金) 12 41 26.72 ID q1/m/7WJ0 [2/30] 俺が勝手に決めたルールだけど これを採用したほうが接続率良くなると思う 忙しい人のために15分ごとに一斉フリフリ ** 00、** 15、** 30、** 45 (**は時間) 2012/03/11 からルールが変わりBump側が公式(今までは非公式)に一人Bumpを認めました 一人Bumpをしたい場合は名前の苗字のところに「一人」と追加してください そうすることで神に昇格したかのように繋がりやすくなります なおチートが嫌いな方は今まで通りお使いください せつなたんキタ———(゜∀゜)———— !! -- とあるBumpのユーザー (2012-04-04 23 31 34) 名前 コメント